院長コラム
2024.10.13
歯に良いと言われているキシリトールですが、キシリトールとは何なのか、どうして歯に良いと言われているのか知っていますか?気になる安全面や、食後にキシリトールのガムを噛むとどのような効果があるのか、どのくらい摂取すれば良いのかなど、キシリトールが歯に及ぼす効果をお話しします。
キシリトールとは甘味料の1つです。普通の砂糖と比べると、甘さは同じくらいですが、カロリーは25%程度低くなっています。イチゴなどの果物、ホウレン草などの野菜にも含まれています。お菓子など様々な食品にも、甘味をプラスするために使用されています。
私たちの口の中に存在する「ミュータンス菌」は、虫歯の原因となる細菌です。ミュータンス菌は、糖分をもとに「酸」を作り出します。この酸が、わたしたちの歯の表面を少しずつ溶かし、虫歯にしてしまいます。
しかし、キシリトールはミュータンス菌に取り込まれても、酸が産生されません。また、ミュータンス菌に取り込まれたキシリトールは、ミュータンス菌の活動を弱める働きをしてくれます。
キシリトールは、唾液中のカルシウムの濃度が高めてくれます。キシリトールとカルシウムが歯の表面に取り込まれると、酸で溶かされて虫歯になりかけた部分を修復してくれます。この働きを歯の再石灰化といいます。
お口の乾燥は、口臭の原因となります。唾液が少なくなると、お口の中の細菌が増殖します。そして、お口の中の食べ物のかすなどを分解して、嫌な臭いのガスを発生させます。
キシリトールを摂ることにより、味覚が反応して唾液の分泌が盛んになります。唾液が細菌を殺菌し、洗い流してくれるので、口臭が軽減されるのです。
キシリトールを効果的に利用するには、まずキシリトールの配合量が多い商品を選んでみましょう。同じキシリトール入りのガムでも、商品によってキシリトールの配合量が違ってきます。キシリトールがより多く含まれている商品を選ぶと、効率よくキシリトールを摂取することができます。
例えば、キシリトール100%のガムなら、1日4粒程度噛むことで、虫歯の予防に必要な量をとることができます。しかし、キシリトールの含まれる量が50%のガムでは、1日8粒噛むことが必要になります。裏面の成分表に、キシリトールの含有量が記載されていますので、見てみてください。
キシリトール100%のガムは、普通のドラッグストアなどではなかなか売っていないかもしれません。歯科医院など専門の病院では取り扱っていることが多いので、1度かかりつけの歯科医院で相談してみると良いかもしれません。
キシリトールは自然界に存在している物質ですので、とても安全です。1日の摂取量にも、特に制限はありません。また、私たちの体の中でも1日に約10~15g生産されています。人口的に作られたキシリトールもあり、お菓子や様々な加工食品に使われていることもありますが、成分は自然のものと一緒なので、安心して摂取できます。
更に、虫歯予防のために必要といわれているキシリトールの量は、1日に5g程度です。体の中で作られているキシリトールの量は1日に約10~15gですから、それより少ない量で済むのです。体への影響を心配する必要はありません。お子さんにも安心です。
キシリトールはたくさん摂取すれば良いというわけではなく、必要量を摂取すれば十分効果を発揮します。食事の後にキシリトールのガムやタブレットを積極的に摂取するだけで変わります。キシリトールの特徴を良く理解し、効率よく使用してみてくださいね。
また、お口の健康を守るには、毎日の歯磨きやお口のケアをしっかり行うことが基本です。キシリトールを摂取するだけでは虫歯の予防にはなりませんので、毎日のケアとキシリトール食品を上手組み合わせて使いましょう。
※上記コラムに関するご質問・ご相談は、虎ノ門(神谷町)の歯科、岡田歯科クリニックへご連絡下さい。