院長コラム
2024.10.13
親知らずというと、絶対に抜かなければならないイメージがあります。周りの人から、抜くのは痛かった、食事をするのが大変、とても腫れて喋りづらかった…など、親知らずを抜いた体験談を聞くことも多いかと思います。
しかし、中には抜かなくても良い親知らずがあることはご存知ですか?あなたがその親知らずの持ち主であれば、とてもラッキーです。抜かなくても良い親知らずとはどのようなものなのか、具体的にご紹介したいと思います。
親知らずが原因で炎症が起こっている、あるいは将来的にトラブルが起こる可能性が高い場合、親知らずを抜歯することを推奨されます。抜かなければならない親知らずを放置しておくと、痛みや腫れが起きたり、膿が出たり、親知らずだけでなく周りの歯に影響を及ぼしたりします。高齢の場合は、親知らずの炎症が全身に広がり、命に関わることもあります。
現代人はあごの大きさが昔と比べて小さいため、親知らずが曲がって生えていたり、埋まったままになっていたりすることが多いです。ほかの歯と同じようにまっすぐ生えていれば、残しておいても問題ありません。
親知らずの反対に噛み合わせる歯がないと、親知らずがどんどん飛び出してしまったり、親知らずの周りに汚れがたまりやすくなるため、残しておくのはあまりおすすめできません。
親知らずは奥の方に生えているため、歯ブラシが届きづらく虫歯や歯周病になりやすいです。まっすぐ生えているときは、注意深くブラッシングをして、親知らず自体の健康を保ちましょう。
抜かなくても良い親知らずは、以上の3つの特徴をすべて持っている親知らずです。どれかひとつでもかけていると、今後トラブルが起こる可能性が高いため、抜歯の対象とされることが多いです。
先にも書きましたが、現代の人はあごが昔よりも小さくなったため、親知らず自体が退化してきています。その結果、とてもラッキーなことに、もともと親知らずの種が存在しない人もいるのです。歯科医院であごのレントゲンを撮るとわかります。
親知らずの手前の歯が虫歯や歯周病で使えなくなり、抜かなければいけなくなってしまった場合、親知らずが残っていれば、様々な治療に役立ちます。
親知らずを利用してブリッジという橋かけの被せものを作り、歯がない部分を補うことができる可能性があります。
歯の無い部分に入れ歯を入れる場合、親知らずに入れ歯の金具を引っかけることができます。金具が無い入れ歯よりも安定し、ずれにくくなります。
口腔外科などでは、歯を抜いた部分に親知らずを移植する手術を行うことができる可能性もあります。比較的年齢が若く、親知らずの形と抜いた歯の形が近い、さらに親知らずの状態もあごの骨の状態も良いなど、様々な条件が揃ったときにできる手術ですので、歯科医師とよく相談してみましょう。
いかがでしたか?「自分の親知らずはどうだろう?」と思ったときに、参考にしていただけると良いと思います。ただ、一般の人には正確な判断は中々難しいので、やはり専門家に見てもらったり、レントゲンを撮って評価してもらったりするのが一番確実です。気になる場合は、定期検診の際に一度相談してみると良いと思います。
※上記コラムに関するご質問・ご相談は、虎ノ門(神谷町)の歯科、岡田歯科クリニックへご連絡下さい。