院長コラム
2024.10.13
デンタルフロスという製品をご存知でしょうか。糸ようじという名称で呼ばれることもあります。ドラッグストアでも手に入れることができますので、使用したことのある方も多いのではないでしょうか。
今回は、デンタルフロスを使用することによるメリットや、多くの種類があるデンタルフロスの選び方をご紹介したいと思います。
歯に付着する細菌の塊のことをプラークといいます。歯の表面に付着している、白くねばねばとした、糊のような物体がプラークです。このプラークが虫歯の原因となります。プラークはうがいなどでは除去することができないので、歯ブラシでこすって落とさなければなりません。
しかし、歯ブラシだけでは、歯と歯の間に付着したプラークには届かず、十分に落とすことができません。そのため、歯と歯の間はとても虫歯ができやすいのです。そこで、歯と歯の間の虫歯を予防するために、デンタルフロスを歯ブラシと合わせて使用することをおすすめします。デンタルフロスは、細い糸状の清掃器具なので、歯と歯の間の隙間に挿入し、歯ブラシでは取り除くことができないプラークを除去することができます。
歯ブラシのみでブラッシングした場合、とても丁寧にブラッシングしたとしても、プラークの除去率は60%程度にとどまります。しかし、ブラッシングの後にデンタルフロスを使用した場合、プラークの除去率は80~90%にのぼります。この数値を見ると、デンタルフロスの重要性がわかるのではないかと思います。
デンタルフロスには様々な形のものがあります。自分に合ったフロスを選ぶと、効率が上がります。
初めてデンタルフロスを使用する方には、持ち手が付いているホルダータイプのデンタルフロスがおすすめです。持ち手を持って歯と歯の隙間に挿入するだけなので、デンタルフロスに慣れていない方でも比較的簡単に使用することができます。
ホルダータイプには「F字型」と「Y字型」2種類の形があります。F字型のデンタルフロスは前歯の隙間を清掃するのに適しており、Y字型のデンタルフロスは奥歯の隙間を清掃するのに適しています。2つの形のデンタルフロスを使い分けると、効率良くプラークを除去することができます。
糸巻きタイプのデンタルフロスは、前歯から奥歯まで、全ての歯の隙間を清掃することができます。指に糸を巻きつけて使用しますので、少しコツがいりますが、歯の形によりフィットして清掃することができますので、慣れればプラーク除去率がぐっと上がります。
基本的な使い方は、デンタルフロスを20cmほどの長さに切り、両手の中指に糸を巻きつけます。人差し指で真ん中の糸をピンと張らせた状態で、歯と歯の隙間に挿入します。難しい方は歯科医院で相談すると、使い方を教えてもらえます。
また、糸巻きタイプのデンタルフロスには、ワックス加工がされているものとされていないものがあります。ワックス加工があるものは、滑りが良く歯と歯の隙間に容易に挿入できるので、初心者におすすめです。ワックス加工のないものは、ワックス加工されているものよりプラークを多く絡めとることができますので、慣れてきたらワックス加工されていないデンタルフロスに変えてみるのもいいかもしれません。
いかがでしたか?デンタルフロスは歯ブラシと合わせて使うことで、プラーク除去率がぐんと上がります。毎日行うのは大変ですが、慣れれば短時間でできるようになりますので、ぜひ継続してみてくださいね。
※上記コラムに関するご質問・ご相談は、虎ノ門(神谷町)の歯科、岡田歯科クリニックへご連絡下さい。