院長コラム
2018.01.10
人間の歯みがきの歴史って、意外に古いのはご存知でしょうか?実は、縄文時代の遺跡や化石から歯みがきをしたあとや、歯みがきに使ったと思われる道具が発見されています。
それ以降、ブタの毛やイノシシの毛を使った歯ブラシ、木の枝から作られた歯ブラシなどいろいろなものが作られてきました。
現在の歯ブラシの原型が出来たのは、70年ほど前のアメリカです。毛先にナイロンを採用した画期的な歯ブラシが開発されました。そして、この歯ブラシにあった効果的な歯みがき法が考案されるようになりました。
歯ブラシの先端部分をヘッドといいます。
ヘッドの大きさは、いろいろな種類がありますが、上顎の前歯2本分くらいのサイズが適しています。
あまり大き過ぎると、奥歯を磨く時に磨きにくくなります。もし奥の方の歯が磨きにくいのなら、ヘッドの大きさが少し小さめのサイズにした方がいいかもしれません。
毛先の硬さは、『ふつう』と『ソフト(やわらかめ)』があります。これは歯ぐきの状態で使い分けることをお勧めします。
歯ぐきが健康な状態であれば、『ふつう』を使いましょう。
もし、歯ぐきが腫れたり、出血しやすい状態なら、『ソフト(やわらかめ)』がいいでしょう。
歯ブラシは、古くなってくれば毛先が広がったり、軟らかくなったりするので、新しい物に交換しなければなりません。
交換時期としては、使い方によりますが、1ヶ月くらいが目安となりますが、1ヶ月に満たなくても、毛先が広がってくるなら新しくしましょう。
歯ブラシは、鉛筆を持つような握りかたでもちましょう。
歯に当てるときは、毛先が広がるような強さは強すぎです。毛先が広がらない程度の強さで歯に当てるようにしましょう。
歯ブラシの毛先を漫然と歯の表面に当てるのでは、歯みがきの効果が乏しいです。毛先が、歯と歯の隙間や歯と歯ぐきの境界付近にきちんと当たるよう意識して磨きましょう。
歯と歯ぐきの境界付近は、45度くらいの角度で当てるのがおすすめです。
意外と当てにくい前歯の裏側は、歯ブラシを立たせていれると磨きやすいです。
奥歯の裏側も磨きにくい場所のひとつです。歯ブラシを少し斜めから入れてみるのが奥歯の裏を磨くときのコツです。
歯ブラシは、小刻みに動かすのがポイントです。動かす幅は、5〜10[mm]程度を目安にしてください。
何本も同時に磨こうとせず、1本ずつ磨くようにしましょう。
歯と歯の間は、歯ブラシだけで磨くのは難しいです。デンタルフロスとよばれる糸のような道具を使うと、歯と歯の間まで効率的にきれいに出来ます。
歯と歯の間が広がっているときは、デンタルフロスよりも歯間ブラシが適しています。歯間ブラシの太さは、製品にもよりますが4〜5種類くらいあります。どの太さが適しているのかわからないときは、歯科医院で相談するといいでしょう。
普通の歯ブラシではなく、電動歯ブラシを使うのもいいです。
電動歯ブラシは、毛先が自動的に動きます。電動歯ブラシで磨くときは、普通の歯ブラシのように柄を持って動かさないようにすることがポイントです。動く毛先を歯に当てるだけにしましょう。
歯みがき粉は、つけすぎないようにしましょう。
毛先からはみ出すような量では多すぎです。幼児では5[mm]以下、児童は1[cm]、それ以上の年齢は1〜2[cm]がおすすめです。
むし歯予防には、フッ素を配合した歯みがき粉がいいでしょう。平成29年3月以降、1500ppmまでのフッ素濃度の高い歯みがき粉の発売が厚生労働省より認可されました。フッ素濃度が従来よりも1.5倍まで増え、むし歯予防にとても効果的です。しかし、6歳未満の子どもには濃度が高すぎるので使わないように注意して下さい。